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交通事故の後遺障害・死亡慰謝料の相場は?

後遺障害の等級

交通事故の後遺障害の慰謝料は等級により分類されています。交通事故で負った障害により、仕事や就職・転職にどれくらい支障があるか、どれだけ日常生活を送ることが困難かによって、等級は決まります。

等級は全部で14階級

等級は14階級あり、もっとも重い障害は1級、もっとも軽い障害は14級です。しかし、軽いとはいっても1級に対して軽度というだけで、障害そのものが軽症というわけではありません。

認定をうけるには、医師による「後遺障害診断書」などにもとづいてされますので、専門医の受診は必須。自己診断で認定をうけることはできませんので、注意してください。

後遺障害等級6級を例にあげるなら、「両目の視力が0.1以下になった」「脊柱に著しい変形を負った、または運動障害が残った」などの障害があると認定されます。

交通事故のケガでもっとも多いとされるむち打ちは、レントゲンなどの検査でも痛みの原因がハッキリと判明した場合に14級に認定。こうして認定された等級によって、慰謝料が決まっていくのです。

ただし、死亡は後遺障害等級には含まれません。死亡基準で別途、相場が存在します。死亡の相場は被害者が一家の収入減であったか、母親であったかなどで変わってくる点も覚えておく必要があるでしょう。

交通事故慰謝料における
3つの基準

交通事故の慰謝料の相場には3つの算出方法・基準があります。

それが、「自賠責保険基準」「任意保険基準」「裁判所(弁護士)基準」の3つ。このうち、自賠責保険基準は「○級は▲▲万円」「×級は△△万円」と固定で決まっているのが特徴です。しかし、必要最低限の救済を目的としているため、3つのうち慰謝料はもっとも低くなっています。

それに対し、任意保険基準は保険会社が決めている独自の基準で、明確な金額は決まっていません。しかも保険会社ごとに基準も異なっており、慰謝料も各社まちまち。ですが、傾向としては自賠責保険の慰謝料よりもやや高めというのが一般的です。

そして、3つのなかでもっとも慰謝料の評価が高いのが、弁護士会基準ともいわれる裁判所基準。裁判所の過去の判例をもとに、後遺障害の慰謝料を基準化したもので、任意保険基準と比べると2倍を超える額となっています。

基準ごとに異なる特徴

自賠責保険基準

まず、自動車運転者に加入が義務付けられている自賠責保険の慰謝料ですが、すでに述べたようにこれは必要最低限の範囲で障害を保障したもの。介護を要する障害を負った場合、後遺障害等級1級で1,600万円、2級で1,163万円といった具合です。

等級ごとに慰謝料額は決まっていて、それ以上に増額されることはありません。限度額が決まっているため、逸失利益や後遺障害の慰謝料を求めても、その決められた賠償額を超えて支払われることはないのです。

任意保険基準

任意保険は強制保険の自賠責とは違い、任意で加入する保険。自賠責では補いきれない保障をうけるために、ほとんどの人が加入しているでしょう。

しかし、加害者が任意保険に加入しているからといって、司法で認められたうけとるべき慰謝料が被害者に支払われるとは限りません。自賠責保険よりはやや高いものの、ほとんどのケースで裁判所基準よりもかなり低い額を提示されます。

重い障害を負ったにもかかわらず、任意保険基準の慰謝料を安易にうけいれてしまうと、もっとうけとれるはずの慰謝料からかなり損をすることになるのです。

任意保険の慰謝料は各社が独自に設けた基準に沿って算出されているため、保険会社によって相場が異なる点も留意しておく必要があります。しかも、ほとんどの場合、任意保険の基準や算出法については公表されていません。

裁判所(弁護士)基準

一方、裁判所(弁護士)基準は弁護士が保険会社と交渉する際に用いる基準。裁判所が「これくらいの障害であれば、これくらいの慰謝料を支払いなさい」と示した金額なので、これが元来の慰謝料の額だともいえます。

自賠責基準と比べると、金額の差の大きさに唖然とするほど。たとえば、後遺障害等級1級だと、自賠責基準1,100万円(介護を要しない場合)に対し、裁判所基準では2,800万円。最下級の14級でも、自賠責基準32万円に対し、裁判所基準と110万円と、つねに2倍以上もの差があるのです。

任意保険基準も自賠責をやや上回る程度ですから、裁判所基準以外だと以下に被害者が不利かがおわかりではないしょうか。

【基準別】後遺障害等級における
慰謝料の違い

以下のように裁判所(弁護士)基準、自賠責保険基準、任意保険基準では後遺障害の賠償金に大きな差があることがわかります。

裁判所(弁護士)基準 自賠責保険基準 任意保険基準
1級

2,800万円

1,100万円

1,600万円

2級

2,370万円

958万円

1,300万円

3級

1,990万円

829万円

1,100万円

4級

1,670万円

712万円

900万円

5級

1,400万円

599万円

750万円

6級

1,180万円

498万円

600万円

7級

1,000万円

409万円

500万円

8級

830万円

324万円

400万円

9級

690万円

245万円

300万円

10級

550万円

187万円

200万円

11級

420万円

135万円

150万円

12級

290万円

93万円

100万円

13級

180万円

57万円

60万円

14級

110万円

32万円

40万円

後遺障害1級とは

1級は要介護の場合とそうでない場合に分けられます。要介護の場合は、神経機能や精神に著しい障害を残した場合や、胸腹部臓器の機能に著しい障害が残った場合。介護が必要ではない場合は、両眼の失明、咀嚼および言語機能を配した場合などに認定されます。

後遺障害2級とは

2級は要介護とそうでない場合に分けられます。要介護の場合は、神経系統の機能もしくは精神に著しい障害が残った場合など。要介護ではない場合は、片方の眼が失明し、もう片方の眼が0.02以下になった場合や、両上肢を手関節以上で失った場合などに認定されます。

後遺障害3級とは

3級は片方の眼が失明し、もう片方の眼が0.06以下になった場合、咀嚼や言語機能を失った場合などに認定されます。

後遺障害4級とは

4級は両眼の視力が0.06以下になった場合、咀嚼および言語機能に著しい障害が残った場合、両耳の聴力がまったくなくなった場合などに認定されます。

後遺障害5級とは

5級は片目を失明し、もう片方の目の視力が0.1以下になった場合や、神経系統の機能や精神に著しい障害が残った場合などに認定されます。

後遺障害6級とは

6級は両眼の視力が0.1以下になったり、咀嚼または言語機能に著しい障害が残った場合、また脊柱に著しい変形や運動性がが残った場合に認定されます。

後遺障害7級とは

7級は片方の眼の失明や視力の低下、耳の機能低下などが該当します。神経系統や精神、臓器に障害が残った結果、軽い労務以外の作業をできなくなった場合は、7級を認定してもらえる可能性があります。

後遺障害8級とは

8級は片方の眼を失明したり、視力の低下、片方の指や足指の全部を失った場合、偽関節になった場合に認定されます。

後遺障害9級とは

9級は高次脳機能障害やうつ病、脊髄障害、生殖器の障害など、ライフプランを狂わすような障害が該当します。

後遺障害10級とは

10級は視力や聴力に異常をきたしたり、手足の指の一部を失ったりと、日常生活に支障をきたす障害がほとんどです。

【基準別】死亡事故における
慰謝料の違い

自賠責保険基準

任意保険基準

裁判所(弁護士)基準

逸失利益について

逸失利益とは、交通事故で後遺障害を負わなかったら得られたであろう、将来の収入・利益のことです。

たとえば、両足を失ったことにより営業の仕事ができなくなった、手足のしびれがあるために接客ができなくなった。そのために、別の給与の低いほかの仕事に就かざるをえなくなった、などのケースがあげられるでしょう。

後遺障害による逸失利益の算出方法は、次の計算式を用いて算出します。

後遺障害による逸失利益の計算法

基礎収入×労働能力喪失率×中間利息控除率(ライプニッツ係数)=逸失利益

基礎収入とは、会社員の場合は交通事故で後遺障害を負う以前の給与の額。自営業の方なら、事故以前の申告所得が基準です。

労働能力喪失率とは、後遺障害で失ってしまった労働能力を表す指数。後遺障害等級ごとに指数が定められているので、以下の数値を参考にしてください。

労働能力喪失率

逸失利益は、将来的に得るはずだった収入を前もって得ることになります。中間利息控除率(ライプニッツ係数)とは、それを控除する際に用いる係数です。

能力喪失期間ごとに、1年から67年までライプニッツ係数が定められています。能力喪失期間が1年であれば、ライプニッツ係数は0.9524、2年なら1.8594、3年なら2.7232…といった具合。

これらの数値をもとに逸失利益を算出していくのです。逸失利益は慰謝料とは別ですから、両方を合算するとかなりの額になります。

能力喪失期間30年で、年収400万円だった会社員が後遺障害等級2級の障害を負ったとすると、計算式は「年収400万円×100/100×15.3725」で、6,149万円。

これに2級の裁判所基準の慰謝料2,370万円を加えると、8,519万円の支払いをうけることができる計算になります。

詳細な計算はケース・バイ・ケースで異なってきますので、詳しくは交通事故案件に長けた弁護士事務所に相談するといいでしょう。

相談料無料の弁護士事務所なら、費用を気にする必要もありません。